食品添加物は結局毒なの?

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なりし【ズボラ管理栄養士】

「なりし」といいます。20代メンズ管理栄養士/フードスペシャリストです。元給食委託会社勤務・病院の栄養士をしていました。節約&自分時間を作れる、超時短で美味しいズボラ飯を提案していきます。

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こんにちは、
管理栄養士のなりしです!




今回は、
かなりご意見や質問をいただく




【食品添加物】について
解説させていただきました!



なりし
なりし

食品添加物は難しい問題だね…



食品添加物って
どんなイメージお持ちですか?




・身体に良くない
・なるべく避けたい
・保存料は悪だ!!

※イメージ画像

僕はこんなお声ばかりを最近目にします。




少なくとも食品添加物に
ポジティブなイメージを
持っている人をあまり見かけません。




まず先に
結論から言うと、



市販の食品は添加物が
使われていても安全です。





というか




多くの発信者が
不安を煽りすぎです。

えっ…
あれですか?




添加物が入っている
ジュースお菓子
市販のお弁当惣菜パン





何ひとつとして
食べるなってことですか?





必ずしも無着色のベーコン
割高なオーガニック野菜
使わなきゃいけないってことですか?





それって、、
本当の意味で豊かで健康ですか?





「いや、、それは極端だよ」

そう思われるかもしれませんが




「発がん性が…」
「絶対に避けたい」なんて言われたら





こういう考えに
ならざるを得ません。





しかし、実際そんなことはなく
市販のお菓子もパンも安全です。
(解説は後述します)





でも、、、
「食品添加物はやっぱりちょっと怖い」
というのであれば、




しっかりエビデンス(根拠)
を調べることが大切です。




※YouTuberやインスタグラマー
の意見ではなく論文や研究結果を
読むことが大切です。

食品添加物=全部良くない

正直この考え方だと
かなりしんどいと思います。




なぜなら市販の既製品の
ほとんどに添加物は使われている
からです。




ゆえに、添加物を摂らない
生活はほぼ無理です。

ということを踏まえた上で、




この食品添加物は
どういう効果なのか、



一体どのくらい
食べ過ぎるとまずいのか




そういった観点で
考えるようにすると



食品添加物に対しての
見方が変わってくると思いますし、




パッケージ裏面の成分表示も
確認する習慣がつきますから
結果的にダイエットにつながったり、




また別の観点から
考察することができたりと
いいことばかり
です。




なので、今回は
そんな食品添加物を紐解いて





なぜ食品添加物が使われているのか
しっかりと学んでいきましょう!


食品添加物はなんのためにある?

前提として、
食品添加物はなんのために加えられているのか




結論から言うと
「人々の食生活を豊かにするため」
です。


ちょっと抽象的な表現なので
少し解説していきます。




食品添加物のメリットは
大きく分けて以下4つあります。




食品添加物の役割①
食べ物の安全性を保つ

食品添加物を加えることで
腐敗を抑えて食中毒を防ぐなど




食品の安全性を担保するために
使用されることがあります。



例を挙げると
あんこジャムなどです。





食品添加物の役割②
食感や風味をよくする


例えば、
ピザやパン作りには欠かせない
ドライイースト。



”多くの人が使っているから”という理由で
安心しているかもしれませんが、




実はあれも立派な食品添加物なのです。
(ちなみにドライイーストは安全です)




ちなみにドライイーストは
生地に膨らみをもたせ、
小麦の風味、香りをよくする働きがあります。






食品添加物の役割③
味を安定させる


これも例を挙げると
中華めんに使用されるかんすいがその代表といえます。



かんすいの原料は
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウムなど。



そこまでなじみのある成分ではないものの、
中華めんの食感を良くし
風味付けをして味を安定させます。



かんすいがなかったら
ラーメンや焼きそばは
生まれてこなかったのです。



食品添加物の役割④
栄養成分を付与する


「レモン〇個分のビタミンC」
「1杯で1日分のカルシウム」



とうたっている商品には
必ずといっていいほど添加物が入っています。




不足しやすい栄養素を
手軽に補うことができるので




成長期の子どもや運動部の学生には
非常にありがたい食品ですね。


食品添加物は大きく分けて
このようなメリットがあります。




どうしても添加物というと
食品を長持ちさせる保存料
のイメージが強いですが、




実はそれ以外にもしっかりと
目的や役割があるのです。

食品添加物の危険性

次に、
最も気になる部分である



食品添加物の危険性について
解説したいと思います。


結論

よほど偏って食べなければ安全

です。




ーーと聞いて
あなたはどう思いましたか?





「はいよほど偏って食べなければ
っていう保険かけてるーー!!」

って思った方がもしいれば
冷静に考えてください。

(いてほしくないですが笑)




水でも塩でも
何でも食べすぎたら毒です。




故にこういう表現になるのは
当然なので、保険かけてるわけ
ではありません。





気を取り直して、安全性について
しっかりと理論的に解説します。





まず
食品添加物を使用する際は原則として





厚生労働省の許可のもと
決められた基準量で使用する
ことが義務づけられています。





”決められた基準量”ということなのですが、
こちらはADI(一日摂取許容量)として
食品添加物ごとにとても厳しく定められています。




まず、
ADI(一日摂取許容量)とは




生涯にわたり毎日摂取し続けても
影響が出ないと考えられる量
を体重1㎏あたりで示したものです。





まずADIの設定にあたり、
一つひとつの添加物に対して





・短期の大量摂取
・長期の継続的摂取
・世代をまたいでの摂取


を動物を用いた検証実験を行います。


これにより発がん性毒性
胎児に与える影響、アレルギーなど
の原因とならないか化学的に分析されます。





この実験を何度も繰り返し
「これ以下なら身体に悪影響の与えない量」
が算出されます。



これを無毒性量といいます。




しかしこの時の実験台は動物であり、
食べる対象はあくまでも人間なので、




この無毒性量が
必ずしも人間に対して無毒なのか
はわかりませんよね。





なので人間に
当てはめるためにこの無毒性量に




「安全係数」として
1/100を掛け算します。






無毒と考えられる量に対して
さらに1/100にまで薄めたもの
が基準値となります。



これがADI(一日摂取許容量)
ヒトが生涯にわたり毎日摂取し続けても
影響が出ないと考えられる量なのです。




これを基準に
添加物は使用されています。



なりし
なりし

なかなか慎重に設定されているんだね。



さらには、グラフにもある通り
普段生活をしている分には





実際に食事でとる食品添加物の量は
このADIよりずっと少ない
のです。






食品添加物は単体では
人間の健康に悪影響を及ぼす
可能性があるからこそ、




とても厳しく試験を行い、
安全に食べられるようにしているのです。




ちょっと専門的な話でしたが
理解してもらえたでしょうか。


でも…

もちろん食品添加物は
すすんで摂取したいものではありません。




安全とは言っても添加物は
人体には存在しない薬品だからです。




これが
「よほど偏って食べなければ」
の部分になります。





でも僕が言いたいのは
「添加物の前に気にすべき点がある」
ということ。




なぜなら、
「味の濃いもの食べ過ぎて高血圧に」
とか

「毎日のお菓子で太ってきちゃった
という人は多くいても





「添加物の摂り過ぎで病気になっちゃった」
ってあまり聞かなくないですか?





っていうかむしろそんな危険なものなら
義務教育の家庭科や理科の授業で
ちゃんと教えてよってなりますよね。

もしかしたら体質的に過敏で
症状が出る方もいるかもしれませんが、




そもそも偏った食事を
していなければ、過度に添加物を
摂りすぎることもないはずですし




「これは添加物入っているから
食べちゃダメだ…」



「あぁ、これもダメ、
あれにも入ってる…」


とかやってたら
精神的に健康じゃなくなると思います。




添加物を過度に気にする
気遣いができるなら




栄養素を全体のバランスを
ある程度気にして食べる方がよほど健康的です。





そうすれば
生活習慣病全般を防げますし、
特定の添加物の偏りもなくなります。




それでも
「どうしても心配なの!」




という方は疲弊しない程度に
気遣ってみてください。




気にしだすと
キリがないからです(笑)


結局食品添加物はよくないのか

食品添加物はよくないのか
という問いには



「積極的に摂りたいではないけれど
添加物よりも優先すべきところが他にある」


「添加物は厳正な試験の上で使用が許可。
安全なので神経質にならなくて大丈夫」


と回答させていただきます。



特定のモノを食べ過ぎて
その添加物が原因で病気になるくらいなら
もうすでに別の病気にかかっています。




毎日ジャムをたっぷり食べていたら
「保存料が…」という前に
糖尿病になっています。




もちろん
無添加にこだわるのは
いいことだと思いますし


オーガニックの野菜
とりいれるのも素晴らしいです。
(野菜は”農薬”なので少しベクトルが違いますが)




けど、そればかりに気を遣っていたら
味気ない生活になってしまいませんか?

・割高なオーガニック野菜を背伸びして買う
・添加物をほぼ使わないシンプルな味のお菓子だけ買う
・添加物が怖く「さしすせそ」の調味料しか使えない
(※砂糖、塩、酢、醬油、味噌)しかもその中にもこだわりがある。


僕はこれを
否定する気はありませんが



頭ごなしに
添加物を否定する気もありません。




前も言いましたが
食品添加物は食生活を豊かにします




それを何度も実験を繰り返して
人間にとって安全が確保されている状態で
使用されています。




なので
そんなに気にしすぎなくていい
と僕は言いたいです。




”ほんの僅かなリスクが怖いから
徹底的にを避ける”
ということは





「事故が怖いから車を運転しない」
「遊園地のジェットコースターにも乗らない」

と言っているようなものです。

本当に乗りたくないなら話は別ですが。



別にそれでもいいですが
豊かな生活とは言えないんじゃないかなと
ぼくは思います。



情報に惑わされないこと


有名インフルエンサーやYouTuberの
「絶対に食べてはいけない食べ物〇選」




などという動画や投稿を
本当によく見かけます。




そこに共感するように熱心に
コメントを書き残している人がいますが、





なぜ学者が検証をしてまとめた文献ではなく、
いちインフルエンサーの言うことを鵜吞みにするのでしょうか。




(↑僕も立ち位置としては同じなので
なるべく根拠をもとに記述しています)




単純にサムネイルの
強い言葉(キャッチコピー)に
引かれているだけで情報源は不明確なはず。




特定の食品を禁止すれば、
特定の添加物をとらなければ健康




そんな単純なものではないのです。




食品添加物については
あまり気にしなくていいという




結論ですが
でも本当にそうだと思います。




というか、そんな危険な食品が
普通に売られてたら日本はもう終わりです(笑)




飛び交う情報に惑わされて、
好きなものを自由に食べられない、
なにかの不安と常に戦っている。



それは精神的に健康とは言えないですよね。

生きた教材と言われている
学校給食でさえも



加工品のハムやウインナー
だってよく使いますし



顆粒だしを使ったり
既製品のデザートも提供します。



添加物を気にする前に
普段の食事の栄養バランス

を気にしてください。




バランス良く食べて
丈夫な身体を作る方が
よほど生産的だと僕は考えます。




そうやって
いつまでも健康的でいられたら
いいんじゃないかなと思っています。




という感じで
今回はまとめさせていただきます!





ここまで読んでいただき、
ありがとうございました!




なりし






P.S.
最後にとても可愛らしい図を見つけたので
添付しておきます。




復習がてら、ご覧ください。

引用:京都生協
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